ウェイルズ公、四月に再婚 
すでに公爵や『旅に行きたい!~イギリス英語勉強日誌~』さん、さらには『英国生活日記』が述べておられるように、各メディアが英国の継嗣であるウェイルズ公殿下がカミラ・パーカー-ボウルズ夫人と再婚を決意したという旨を報じています。
これは根も葉もない噂ではなく、
クラレンス・ハウスのプレスリリース(おそらく最初の発表ではなくではなく続報)によると:結婚は2005年4月8日にウィンザー城にて執り行われる
という事です。
同リリース内において、今まで関心の的であったパーカー-ボウルズ夫人の結婚後の称号についても触れられています。即ち:
- 結婚後には'HRH The Duchess of Cornwall'の称号を用いる。
- ウェイルズ公が登極の後には'HRH The Princess Consort'の称号を用いる意向。
'The Duke of Cornwall'というのは、英国(イングランド)国王の長子で且つ
また、'Princess Consort'というのは、「配偶者である王族女性」と言う意味ですが、この称号は英国史上存在した事がありません。この男性形'Prince Consort'はヴィクトリア女王の夫君であるアルバート公が賜った事があります。これも、ダイアナに憚って'Queen (Consort)'の号を避けたのでしょう。
しかしながら注意せねばならないのは、先のリリースで「用いる ('use')」という語が両方ともに使われていた事で、'grant'や'create'という語でもって法的に叙す事を示していない点です。
したがって、現在のLady Louise Mountbatten-Windsorのように社会的にそのように呼ぶようにする事にとどめておく可能性があります。そうであれば、結婚後は'HRH The Duchess of Cornwall'と称されていても'HRH The Princess of Wales'である事には変わりない事になります。もっとも、それを変更するLetters Patentが発行されればそれは別ですが、王室制度を大幅に変革する事になるそのような大げさなものは発行しないでしょう。
では夫の即位後の称号はどうでしょう。結論から言えば、どちらにしても、夫の即位後も'HRH The Princess Consort'と称されていても'HM The Queen'である事には変わりない、という事になります。
もしに'HRH The Princess Consort'に叙されたにしても、夫の称号である'King'の方が位が上なので、妻の称号はそれに追随して'Queen'となって、結局は同じ話なのです。ただし、この場合は夫人自身が法的に'HRH The Princess Consort'という称号を自身で持つ事になりますので、法的な根拠はよりカッチリとします。
叙されなかった場合、あくまでその称号は保有せずに社交的・社会的に認められてもの、という事になります。どちらにしても、左記の理由と同じように夫が国王なのですから、自動的に'Queen'となります。
何故こういった事になるかというと、英国には「夫の称号が妻の自身の称号よりも高い場合、妻の称号は夫の称号まで引き上げられる」という慣習法があるからです。これは、国王の場合にも同様に適用されるらです。
ちなみに、ウェイルズ公の母親であるエリザベス二世女王陛下は宮内庁を通じて以下のお祝いの言葉を発表されました:
エディンバラ公と私はウェイルズ公とパーカー・ボウルズ夫人が結婚する事をうれしく思います。二人の将来の多幸を祈ります。
一部報道で「Princess of WalesやQueenの称号は与えられない」という旨のものもありますが、これは上記の通り正確ではありません。「用いない」と「与えられない」は同義ではありません。よみうりテレビの『ニューススクランブル』が「コーンウォル伯爵夫人」というテロップを流してましたがこれは明らかにミスでしょうね。
また、a.t.r.におけるポストによると、英BBCが伝えたようなのですが、'Princess of Wales'を用いないというのは、どちらかというとパーカー・ボウルズ夫人側の要望である様です。'Queen'を用いないというのも同様かもしれません。
クラレンスハウスのプレスリリースのリンク切れを確認。Internet Archiveに記録無し。また、バッキンガムからの声明については、リンク切れのため引用元のリンクをInternet Archiveのリンクへ差し替え(2009/02/15 1:43)
| 初版公開日 | 2005-02-11T01:04:00+09:00 |
| 最終更新日 | 2009-12-05T14:15:21+09:00 |
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私は英国在住とは言うもののいまだに英国の王室の系図とかはおおざっぱにしかわからない不勉強者です。ちまたにあふれるゴシップ雑誌には常にDuke of ○○だのLady○○だのがあふれているのですがわかりにくいですよね。
こちらでいろいろ書いていらっしゃるようですのでこれからじっくり読ませていただきます。どうもありがとうございます^^
再婚となると複雑ですね・・・。
大丈夫です。こういった事は英国人でもしらない人がほとんどですから。
そちらもたびたび覗かせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。
恐るべし、タブロイド。
そういえば、HRH The Duke of Windsorの再婚のときは、たしか称号がHer Grace The Duchess of Windsorでしたよね。これはLPの明文で「HRHもPrincessもなし」だったんでしたっけ?
女王の御所に人が殺到しそうなので憚ったとか。
Duchess of Windsorですが、確かに1937年5月27日のLPで、夫人とその子孫はRoyal Highnessの敬称とその属性を有しない、とされています。'princess'に関しては明文化されていませんが、先の「属性(attribute)」が効いているのでしょう。
(この辺の曖昧さが後のエディンバラ公の件につながるのかもしれません。)
もっともこのLPは1917年のLPを侵害するもので、いろいろ議論があったようです。特にウィンザー公は憤慨して認めなかったとか。