息子が襲爵した未亡人の称号についての補足 
先の『小公子』の記事で「夫が襲爵せずに死亡した後に息子が襲爵した場合、未亡人の称号は変わらない」と述べました。これについて補足したいと思います。
Titles and Forms of Addressに実例が載っています。
The 8th Duke of Devonshireは子が無かったのですが、父から襲爵したときには既に弟のLord Frederick Charles CavendishおよびLord Edward Cavendishが兄に先立って逝去してしまいました。
しかし、Lord EdwardにはVictor, Richard, Johnという3人の男子がいました。そこで、Mr Victor Cavendishがheir presumptiveとなりました。
このとき、彼は跡継ぎとはいっても第8代公爵の孫ではなく甥にすぎないので、儀礼称号はありませんでした。もちろん彼の弟も同様です。しかし、Victorが1908年に襲爵すると、彼の弟もLord RichardおよびLord Johnと称されるようになりました。しかしながら、彼の母親、つまり故Lord Edwardの妻の儀礼称号は変わらずLady Edward Cavendishでした(p.6)。
補足しつつ纏めると、以下のようになります。
- 傍系から跡を継ぐと、その弟および姉妹も彼の父親がまるでその爵位を持っていたかのように儀礼称号及び地位を得る。
- 上記の儀礼称号及び地位は自動的に権利として得るものではなく、君主の許しを得て与えられるものであり、内務相の推薦により君主がwarrantを発行して認可する。
- 上記の場合でも母親の儀礼称号は変わることがない。
| 初版公開日 | 2006-11-23T01:01:00+09:00 |
| 最終更新日 | 2009-12-05T14:15:18+09:00 |
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Last-modified: 2009-11-16 (Mon) 23:45:46 (JST) (792d) by dzlfox
レスを頂いていながら返信していないことに気づきましたので、3年越しにレスします。
この場合、同じLadyでも:
(1)peerの妻のLady
(2)courtesy peerの妻のLady
(3)peer/courtesy peerの余子の妻のLady
という3種類がざくっと考えられます。
Lady Edward Cavendishは(3)にあたります。
これはこれで同じ"Lady"でも「格」が微妙に異なります。
厳密に言えばいずれにせよ、nobleでは無いわけですが、
(1)はしばしば夫とセットで(別格的に)扱われる立場です。
(2)のほうが(3)よりも、同じ庶民とはいえ、格は上です。
したがって、柳様の言うとおり、いずれにしてもLadyなのですが、そのLadyが何処にくっつくか、によって厳密には本人の格に関わってくるわけで、この辺を追っていくことは重要だと思います。
(もちろん実際の社交界での扱われ方はまた話は別になりますが)