先の本記事でこの称号を帯びるのはheir apparentでもheir presumptiveでも構わないということです。
と書きました。その後、女子が帯びるMistressの話に進んでいったわけです。
その時はあえて飛ばしたのですが、heir presumptiveでも構わない、という事は弟でも伯父でも従兄弟でも帯びうる、という事に注意しましょう。
イングランド他では嗣子のいない場合、継承規定によって、直近の弟なりその子なりが継嗣(相続人)となったとしても儀礼称号は帯びません資格は無くても一般的にそう呼ばれるという特殊なケースはありえますが。
しかし、Masterの称号はheir presumptiveでも帯びることが出来ますので、子が無い兄が爵位を継承した後、兄に嗣子が出来るまで、Mistress/Masterとなります。
Duke/Marquess/Earlのheir presumptiveもMasterを帯びていた実例があるか、という問題ですが、昔Earl of Douglasの弟が称していたケースがある
というポストがa.t.r.のログにありました。おそらくこれは1455年に剥奪された爵位の事だと思います。六代および八代伯爵の後をそれぞれ弟が相続していますので、このあたりだと思います。また、両ケースとも下位の爵位をもらった後ですので、本来儀礼称号がLordとなるところが弟なのでMasterになった、というケースに合致するように思います。
兄に継承資格のある子が産まれた場合、上述の弟はMasterではなくなり、本来の儀礼的な称へと戻ります。兄が、または兄相続した人物が継嗣がいない状態となりheir presumptiveとなると、またもやMasterを称する事になります。
上記のようにheir presumptiveでも称する事ができるという事は直系子孫でなくとも称することができる、という事なのですが、近親者ではない場合(どれぐらいの親等なのかは不明)、Masterを名乗るにはスコットランドで紋章・称号・姓名を司るLord Lyon King of Arms(スコットランド紋章院総裁)の認可が必要となります。