前回の記事ではpeer/儀礼peerを問わず「ViscountおよびLord of Parliamentの継嗣であるMaster」について扱いました。
今回はDuke, Marquess, Earl/Countess in her own rightの継嗣が帯びるMasterについて書き、補足とします。
Duke/Marquess/Earl/Countess in her own rightとViscount/Lordとの継嗣の違いとは何でしょう?
前者は大抵爵位の形をした儀礼称号を帯びますが、後者の帯びる称号は儀礼称号とはいえThe Honourableという接頭形です。
Duke/Marquess/Earl/Countessの継嗣でも儀礼称号がない場合はMasterである、と前回書きました。では儀礼称号は持っていればどうなるか? 当然、彼は儀礼称号で称されるわけですが、スコットランド貴族の場合、少し異なる点があります。
それは、スコットランド貴族の継嗣はどの位であれデフォルトでMasterなので、儀礼称号を称していても、実はMasterである、ということです。
つまり、Duke等の継嗣の場合、社会的には儀礼称号で呼ばれているけども、法的にはMasterである、ということです。英国で儀礼称号とはあくまで社会的に儀礼として称されているだけで、法的な称号ではないことには注意が必要です。
一方で、Viscount/Lordの継嗣の場合、そもそもがMasterで称されていますから、社会的にも法的にも彼はMasterです。
これがどこに現れてくるかというと、
- (UK)Marquess of Angleseyの継嗣: Charles Alexander Vaughan Paget, commonly called Earl of Uxbridge
- (S)Marquess of Lothianの継嗣: Michael, Master of Lothian, commonly called Earl of Lothian
- (UK)Baron Fairhavenの継嗣: James Henry Ailwyn Broughton, commonly called Hon. James Henry Ailwyn Broughton
- (S)Lord Elibankの継嗣: Robert Francis, Master of Elibank
英国法では、称号というものは名字のかわりになるものなので、自分で称号を有している人は名字のかわりに称号を表記します。儀礼称号の場合、あくまで社会的に称しているだけなので、名字を表記しなければなりません。しかし、Masterは儀礼称号ではなく、本人が有している称号なので、名字は表記しません。
See Debrett's Corret Form, 12-3,62-5.