前回書いたようにクロスバー部門にエントリーした。サーキット(競技会)自体は20日の月曜日だから、本来は土曜日か日曜日に乗っておくべきだったが、所用のためにできなかった。前回のレッスンが散々だったから不安なままに当日を迎える。
サーキットがあってもレッスンなんかは普段通りあるからか、サーキット自体の集合は朝の5時45分である。ひえぇーっ。と言うわけで4時半頃に家を出る。本来、各種目別に集合・馬装時間が決まっていて、まぁ、それまでに行けばいいのだが、その出走テーブルの発表が金曜日で、前述のように確認しに行けなかったので、早めに行っておくことにした。もちろん電話すれば良かったのだけれど、前の人の競技も見たいし、行っていきなり乗るのも緊張するし。と言うわけで付いてテーブルを確認すると、D(Cross Bar)クラスは、7時5分馬装開始、7時半馬場集合、7時50分競技開始だった。がくっ。早すぎた。
とりあえず、乗り馬の確認をすると、アグネスエンジェル。うーん、乗ったことがない。私を含めてこの馬には3人の人が乗り、その内の一人の人の鞍と絡を使って馬装するようにとの指示があった。当然そういう人は専用馬指定なんだろうなぁ、と思った。専用馬というのは、追加料金を払って、その馬を指定する優先権を数回獲得するシステム。私はお金がないので、そんなことはしてません。だからどんな馬がくるかはその当日になってみないとわからない。
服を着替えて気づく。色つきのをもっている人はいるものの、たいていの人はフォーマルな白キュロットをはいている。ジョウランという障碍で着るフォーマルな上着を着ている人もいる。翻って私は下はジャージ、上は白いポロシャツだ。恥ずかしい…。私も昔は黒いキュロットをもっていたけど、いろいろあって無くしてしまった。再開して以来まだ買っていない。まぁ、クロスバーはドレスコードがないようなので、開き直る。結局キュロットではないのは私一人だった。ははは。
というわけで、ぶらぶらしたり、先に始まったC(60cm)クラスの競技を見たりして待つ。7時過ぎになったので、洗い場に行くが、まだ鞍が出ていない。馬を用意しようにも他の人の持ち鞍なので、出ていないと馬装しようがない。と言うわけで、一端クラブハウスの方に入って、障碍の経路を確認。障碍飛越競技の場合、決められた順番に障碍を跳んでいくので、乗り手が順番をわかっていた方が良いのは言うまでもない。
コースは左図の様になっている。黒い線が障碍。数字が書かれている方が手前で、そっちから跳ぶ。スタートは'S'と書いてき 1000 ?るところ辺り。その辺りで敬礼してから計時開始である。障碍間は基本的にどのように走っても良い(あんまり変だとアカンが)。
ポイントはいくつかあるが、まずは3番障碍を過ぎて急角度で曲がって4番障碍へ向かうところ。急角度とはいえ、3番通過後まっすぐ出て、大回りして4番にまっすぐ入らなければならない。さらにその後は5番のダブル。さらに7-8-9番のコンビネイション障碍(ひょっとしたらトリプルかな)。ここでも、しっかり推進してまっすぐはいらなければならない。
といった辺りを頭に入れ、洗い場に戻ると、女性がアグネスエンジェルの馬装をしてはった。どうやら持ち鞍の人のようだ。アグネスエンジェルにかつては乗っていたということらしいので特徴を訊くと、止まり癖がある、と言うことだった。つまり、障碍の前で躊躇しやすいということだ。ならば、しっかりと推進しなければならない。
馬装をほとんどしていただいた頃に集合になった。しかし、もう一人の人がいない。仕方なしに馬場の方へ馬を引いていく。競技前に指導員の人らが各馬に乗りいわばウォーミングアップをすることになっていたので、引き渡す。ちゃんと動くようにしっかり乗っておいてください、と頼んでおいた。
その間にルール説明がなされた。現場ではここまで詳しくいわれていないが確認しておくと、障碍競技の場合は普通はまず減点法である。バーを落とすと一つの障碍につき4点減点。反抗といって、馬が障碍を跳ぶのを嫌がって止まったり脇にそれても減点4。反抗が三回あると、三反抗失権といって失格。さらに順番を間違って障碍を跳ぶと経路違反失権。あとはタイムオーヴァーで失権なんてのもあるが、まぁ、このクラスの場合はそんなに関係ないだろう。
で、問題は同点の者が複数いた場合はどうなるか、ということだが、普通はタイムトライアルとなる。つまり同点の者の中で一番早い時計でゴールした方が勝ちである。ところが、京都サーキットのD Classでは特別ルールが適用される。すなわち、規定タイムを設定し、同点の者の中でそのタイムに一番近いものが勝ち、というルールだ。どうやら、このクラスでタイムトライアルをやると、速く走るために、障碍に対して斜めに入ったりして変な癖が付いてしまうために、あえてこのルールにしているという。
規定タイムは指導員の人が実際に馬でコースを走って設定するという。で、うちらはその走りを見てだいたいの走行ペースを推測せねばならない。結局規定タイムは一分丁度ということになった。
走る順番は、アグネスエンジェルに乗る人だけ述べると、ある女性が1番目、私が5番目、持ち鞍の女性が9番目だった。しかし、1番目の女性が来ない。時間が過ぎてしまったので、その女性は欠場となった。なので、私がアグネスエンジェルの最初の騎乗者になったのだが、持ち鞍の女性を最初にしようとサブチーフが言わはったので、その女性が9番目から1番目に繰り上がることとなった。まぁ、私が初めての競技だと言うこともあったからかもしれないし、鞍がその人の者というのもあったかもしれない。しかし、その女性は想定していない自体にあわてて準備にかかられた。
さて、競技馬場の横に待機馬場というものが設けられており、 1000 競技者はその前の前の人ぐらいの競技中に待機馬場内の障碍を二回だけ練習で跳ぶことができる。もちろん1番目の人はあわてて練習、そしてすぐ競技、とあわただしいものだった。しかし、いきなり減点0のパーフェクトな演技。タイムはこっちではわからないけども、いきなりこれはへこむなぁ。つまり、満点を出さないと勝ち目はないということだし。いくらクロスバーならさほど満点は難しくないとは言っても。もっとも、私も乗る馬で満点を出してくださったのは、かなり有り難い。なぜなら馬がそれを覚えているだろうから。
さて、ついに私が待機馬場に入る時がきた。駈歩を出して一回目を跳ぶ。うーん、障碍前でちょっと速歩に落ちるような感じで跳んだ。これが止まり癖か。二回目も同じようなもので、跳ぶには跳んだが、怪しい、という不安だらけのウォーミングアップになってしまった。ただ、これで馬の癖もわかったし、気をつけるべきものもわかった。つまり基本的な「障碍前で身体を起こしてしっかり推進する」というのをキチンとすべき、というものである。
4番目の人が第6障害をクリアした頃に馬場に入り、駈歩でスタート地点へ向かう。前回のレッスンで駈歩は心が散々だったので、一応騎座をも使って出すと、スムースに走った。アグネスエンジェルに好感を持つ。
前の人がクリアして、自分の順番になったので、敬礼するとスタート開始のブザーがなる。スタート地点から5番障碍と8-9番障碍の間を通って、反時計回りで1番障碍へ向かう。さぁ、跳ぶぞ、という時なった右の鐙がはずれそうになってしまって焦る。何とかそのまま跳んで、鐙をちゃんと踏み直した。2番障碍は1番障碍を跳んで左に折れなければならないのだが、鐙に気を取られてもう少しでそのまままっすぐ行きそうになって、また焦る。何とか跳んで、3番障碍はまともに跳んだ。
そのまま右に曲がって4番障碍に向かうのだが、このカーヴが思ったより急角度で、4番を斜めに入ってしまう。うわー、これはイカンと思ったが、すでに修正はきかなかったので、思いっきり跳ばせた。何とか跳んだ。まぁ、クロスバーだから良かったようなものだが。やっぱり、緊張とパニックで前が見えていなかったんだなぁ、と今では思う。ただ、4番を過ぎた当たりで、開き直り気味に落ち着いた。ダブルの5番をしっかり推進して真っ直ぐ跳ばせてクリア。くるっと本部席前を通って6番に向かう。だいぶ落ち着いてきたので、「はいっ」と声を出しで人馬共に居合いを入れてクリア。
さて、6番から7-8-9番に向井ルートは二通り考えられる。3番障碍の内側を通るか外側を通るか。タイムトライアルなら内側を通った方がタイムを稼げそうだが、その後に待っているのが三連の障碍なだけに、外側を通った方がより真っ直ぐ走る距離が長いので、しっかり跳ばせることが出来るのだ。しかも、規定タイム方式で、且つ結構ゆっくり目の騎乗で出されたタイムなので、迷わず外側へ持ち出した。
三つの障碍間で強く出したこともあって、一番最後の9番の時に結構怪しかったが、何とか減点0でクリア。あー、よかった。これでたとえ負けたとしても「減点0で負けたんやから運の差や」という良いわけが出来るというもの。だって乗っていて自分の走行タイムなんてわからんもの…。
自分の競技が終わる㍊ad1 ??、とりあえず馬を厩舎に戻してください、といわれたので、洗い場で馬装を解く。解き終わった頃に持ち鞍の女性も来られたので、いろいろ競技の話をしつつ、厩舎に戻すのをお任せして、クラブハウスへ戻る。スポーツドリンクを飲みつつ顔を洗い、とりあえず汗をぬぐって、競技を見学に。そのころにはすでにA(100cm)クラスのためのウォーミングアップが始まっていた。
本部席(というほど大層な物ではなくいつも置いてあるただのテーブルだが)の所に、採点表があった。ちょっと見てみると、一人の人を除いてみんな減点0。肝心のタイムは、最初に跳ばはったアグネスエンジェルの持ち鞍の人が59秒16。で、私は1分0秒64だった。百分の一秒の位は記憶が曖昧。この二つが一番近いようだった。で、規定タイムが一分だから。うーん、ということは、その女性が0.84秒差。私が0.64秒差。むむむ、ひょっとしてわずか約0.2秒差で私の勝ちか。でも、ひょっとして、規定タイムオーヴァーはダメ、とかいう隠れルールはないだろうな。といった変な疑心暗鬼にさいなまれつつ、100cmクラスを観戦。さすがに迫力があるし、上手い。ええのぉ。
100cmクラスがおわると、30分後に表彰式ということなので、いろいろ馬の写真を撮ったり、相変わらず疑心暗鬼にさいなまれつつ時間を過ごす。が、異様に眠気が襲ってきて、カフェテリアのところで、少しうとうととする。
で、結果は無事に優勝していました。表彰式でトロフィーをいただいて、写真も撮られました。副賞に騎乗券10枚、とか欲しかったのだけど、そこまでのサーヴィスはなかった。ぐぅ。参加者の人から「おめでとう」といわれた時は、大いに恥ずかしかったけれど、うれしかったです。ただ、やっぱりキュロットでないのは、恥ずかしい。
今回の勝因は……うーん……このルールでは、減点0で跳んだらあとは運のような物なので、じっくりと立て直しつつ乗ったのが良かったように思います。あと、先にアグネスエンジェルに乗ってくださった女性が言いタイムで走ってくれたので、馬がそれを身体で覚えていたのも良かったように思います。あんまり乗り手が勝因では無いような気もします、今回の私に関しては…。
