[馬/轡心日記]

轡心日記 6鞍目・月貴 / 2004-07-10 (土)

月貴«つきたか»なんて思いっきり和名だが、関西学院大学馬術部からきた馬である。関学の馬は「月」が付くらしい。つまりもう一頭「月駒」という馬がここにいるのだけど、この馬も関学にいた馬だったということになるようだ。

レッスン前に各自の乗る馬が表示されるモニターを見ていると、初心者駈歩に参加するのは私だけだった。このモニターには実際にカウンターでチェックインした人だけが表示されるので、ぎりぎり直前に入る人もいるかもしれないと思ったが、結局集合したのは私一人だけだった。おそらくキャンセルが続出したのだと思う。確かにこの日は雨が予想されていて、実際に雨の降りそうな曇り空だったけど、雨が降っても乗ればいいのに、と私なんかは思うのだが。

とにかく、マン・ツー・マンである。これを機にいろいろ理論的なことを聞くことにした。私は馬術部にいたわけだが、貧乏国立大学の馬術部には教える人などおらず、先輩からいろいろ習うわけだが、先輩自身がわかっていないのだから、結構あやふやなところが多い。頭でごちゃごちゃ考えるよりも、感覚で乗れればいい、という意見もあるかもしれない。だが、私の場合性格的な問題として、理論的にちゃんと知った上で乗りたいし、そっちの方がいろいろ安心するし、変な覚え方をしないですむと思うのである。ということを話すと、どんどん聞いてください、と言われたので、どんどん聞いた。

その中でなるほどと思ったのは、駈歩の出し方。出し方自体は前回書いたとおりだが、何故、乗り手の身体を起こしたり、馬の首を上げさしたりするのか。指導員の人によると、これは馬の重心を後ろに下げさすためである。首を上げさすのは、馬というものは首が下がってしまうと前に重心がかかるのだ。ところで、馬の駈歩というのは、手前の前肢を大きく前に出して跳躍する走り方である。跳躍するには、後肢で踏ん張らねばならない。後肢で踏ん張るためには、後肢の方に重心がかかってないと踏ん張れないのである。そこで、指示を出すというついでに、馬が出しやすくしているのである。馬術というものは馬の自然の動きを利用している、と言うことを読んだことがあるが、これもその範疇にはいるだろう。

で、今回の月貴である。月貴という馬は乗ってみてわかったが身体が硬い。身体が硬いというのは一般的に言って関節が硬い、つまりは筋肉が硬いということになるだろう。身体が硬いということになると、車のサスペンションと同じでいろいろ乗り味が悪くなる。そして関節が硬い人と似たようなもので、きちんとウォームアップしないとピシっとしない。つまり、なかなか出にくくなる。

というわけで、まず手綱を長くしたまま速歩。手綱を長くするというのは馬が楽にできるということだから、楽な姿勢で速歩というのはいわばウォーミングアップなのだ。しかしこの時点で乗り味が判明。ガタガタする感じ。

いろいろ指示を仰ぎつつ駈歩を出す。みっちりウォームアップしたこともあって発進及び維持は良い感じだ。ただし、ガタガタっろ 717 ?タガタっという乗り味が三拍子で襲ってくる。うーん、これは「ガタガタ月貴」と言う中途半端な韻を踏んだニックネームを授けねばならない。そんな感じに思いつつ乗っていたものの、ガタガタな駈歩ではなくしっかり出すために強めの推進をしていたら、絶えず推進するのではなく落ちそうになったら推進をバシっと決めるように、と言われる。というのは、絶えず脚の扶助を与えているとその感覚に馬が慣れて鈍くなってしまうから。

そこで、前回課題に挙げた優しい当たりで乗ることを念頭に置きつつ、非推進時の爪先の方向を考えながら乗る。そうすると、「もう次は4級取得レッスンいってみましょう」と言わはった。

4級取得レッスンとは、4級ライセンス試験を受験するためにその試験の題目を集中的に練習するレッスンである。つまり、一歩進むことができたと言っても良いかもしれない。

まだ時間があったので、今度は右手前で走ることになった。このクラブではほとんど左手前なのだが、もちろん馬場馬術や障碍なんかをするには右手前で走る必要がある。そこで、右手前で走ってみると、元々何となく違和感があった右の鐙がよけいに長く感じてしまい、鐙がしばしば深くなってしまった。

指導員の人によるとやや内側に身体が傾いてしまっている、とのことだった。月貴自体がそんなに右手前も得意ではないようだが、この辺のバランスもこれから気をつけるべき所だろう。

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