[馬/轡心日記]

轡心日記 3鞍目・ミステル / 2004-05-30 (日)

今日はうってかわって快晴高湿、はっきり言って、馬も人も死ぬ!天気予報では昼頃雨とか言っていたような気がするが、曇っただけで雨はなし。ここまで湿度が高いと、日が照ってようと、ちょっと曇ろうとあまり関係がない。洗い場に出ていた段階ですでにミステルは汗ばんでいた。

前回に引き続いてのミステルへの騎乗だったが、洗い場(装鞍所)で会うと、「またお前かいな」という目で見られた、ような気がした。もっとも警戒色でないからましか。 今回はスキルチェックだったので、姿勢、手綱の持ち方、常歩«なみあし»での誘導といった基本動作に加え、軽速歩«けいはやあし»を手前を会わせてきちんと乗ることがセッション目標。まぁ、馬術部経験から言えば、まさに基礎の動作だが。日曜故か、クラブ自体が混んでいて、このセッションも5人による部班。 まずは私が5番目に入って部班開始(以下それぞれA~Eと呼ぶ)。常歩から軽速歩を各自出す。ところが、Cさんがなかなか上手く速歩«はやあし»が出ない。従って、後ろが詰まり前が離れる、という初心者の部班にありがちな形に。

そこで、Aさんが私の後ろに入る形になった。Bさん先頭とする形に部班、Cさんは相変わらず出にくいが、逆にDさんは少し速い目の常歩にすぐなってしまう。我がミステルがそれに連れて、速歩準備段階で速歩が出そうになる。それはちょっと恥ずかしいので、ぐっと抑えて我慢させる。じっくり我慢させて、指示通りに速歩を出す。指示通りにすると、いきなりハミをとる。おいおい。まぁ、落ちはしないが、びっくりするやん。

そのときにいきなりアクシデントが起きた。後ろのAが付いて来てないなぁ、とちょっと思った瞬間。

「あーっ、大丈夫ですかぁ!」

という、インストラクターの人の声がした。歩度«ほど»を詰めて後ろを見ると、Aさんの馬は駈歩«かけあし»が出ていて、案の定、ふり落とされて落馬された。その落ち方が、左足が«あぶみ»を離れ、馬の背で仰向けになるように回転して、そのまま馬の右側に落ちる、という危険な形だった。なにせ、腰から落ちて頭を地面に強打したのだから。

馬術部時代に良く女の子が落ちるのを見てはいたが、8年ぶりの落馬目撃なのでさすがに焦った。しかも、乗り手を振り落とした馬がそのままこっちへやってくる。Aさんの前は私なのである。

こういう時に、こっちの馬や他の人の馬が連鎖的に驚いては困るので、ぐっと手綱を持ち、とりあえず、馬を横に向けて道をふさぐような形で止まった。横に向けたのは、道をふさぐことで、Aさんの馬を自主的に止まらすということと、ミステルに「近づいてくるのは仲間の馬だ」と言うことを視覚的にわからせて落ち着かせるため。この対応が正しいかどうかは疑問だし、訓練された馬だから何もせんでも止まったかもしれないが、結 1000 果としては無事に止まってくれたので良かった。こういう時は、ほかの初心者の人の馬が連鎖的に暴れるのが、はっきり言って怖い。

この落馬の原因は、私は見ていないけども、次の通りではないかと思う。つまり、軽速歩の途中で、馬が止まるなり常歩に落ちるなりした。Aさんは速歩を出そうと、脚を蹴った(初心者故に圧迫ではなく、蹴る扶助の段階)。蹴られた馬の方は、それでいきなり駈歩になった。初心者で駈歩をする段階ではないため、駈歩のリズムに上手く乗れず、当然両脚による馬体の挟み込みも上手くできていないので、左の鐙がはずれた瞬間、馬体から投げ出される形になった。右の鐙は残っていたので、馬上で反転する形で仰向けになったが、右の鐙もはずれて、そのまま落馬。全くの推測でしかないが、おそらくこういう感じだったのではないかと思う。

不幸中の幸いだったのは、柵の横木で頭を打たなかったこと。楕円形の馬場の周りは柵で囲まれており、その柵には二本の横木が通してある。Aさんは、下の横木と地面の間を斜めに切り込むようにして落ちたのである。もし、横木に当たっていたら、いくらヘルメットをしているといっても、結構危なかったんじゃないかと思う。

実は私は今まで落馬したことがない。そんな危険なことをしてないんじゃないか、という声も聞こえそうだが、一応小障碍も少し跳んだし、そもそも馬術部の一年生は男女を問わすにバンバン落ちるのである。別に自慢しているわけではないが、初心者段階で落馬していないと、将来落馬した時、その次の騎乗機会での恐怖は倍増するのではないかと、思う。それは嫌やなぁ…。落ちんようにしよ。

Aさん落馬後、無線連絡を受けたスタッフが一斉に駆けつけてきた。担架も運ばれたが、大事はないようで、Aさんは歩いてクラブハウスに戻られた。馬自体は、スタッフが駆けつけている時に、洗い場の方に戻された。大事がなくて良かった。

さて、まだセッション途中である。しばらく常歩で蹄跡«ていせき»を回った後、軽速歩レッスンに戻る。次は手前合わせである。手前を合わせるとは、馬の内側の前肢が着地した時に人が立つ、というリズムを合わせてキープすることである。ちなみに、速歩時の馬のリズムは二拍子。

しかし、手前合わせを説明する時に「軽速歩ってわかりますか?」という質問を改めてインストラクターの人がしたのには苦笑したのだが、私以外、誰も知らなかった。何でや。そうか、ここではまず、手前合わせを気にせずに軽速歩のリズムに慣らさせるようなのだが、この時に、速歩=軽速歩のような感じで指示しているように思う。立ったり座ったりしない速歩である正反動«せいはんどう»は意外に難しく、しっかり座れて脚で馬の腹を挟めていない人は、上下動が激しいために、先に軽速歩をみっちりやっているのかもしれない。

私は馬術部経験があるから、軽速歩即ち手前を合わせせた軽速歩なのだが、手前を合わせてやるのは最初は難しい。だから、まず軽速歩のリズムになれるために手前合わせなしの軽速歩を教えているのかもしれない。その割には、結構手前を意識させるような指示をビギナー(大)でもやっき 912 ?いたような気がするし、ほかのレッスンを見ててもいっていたような気もするが。

まずは、手前の見方を常歩の状態で確認。常歩だとかえって合わせにくいと思った。軽速歩での手前合わせでは皆さん結構苦労していたが、あれは慣れだから練習するしかない。手前が合わない時にトントンと二回連続で尻を付いて手前を修正するやり方も練習。これは二拍子のリズム故の修正法。一通りこなしたところで時間切れとなる。

今回はものすごくあつかったし、馬も人もバテバテだったが、ミステルががんばってくれたし、こっちも上手く乗れた。良かった。

そう思って洗い場に行くところで、またしてもアクシデントが。馬場から洗い場への砂利道の橋には草が結構生い茂っているのだが、私のちょっと前を歩いていた女性の馬がそっちに目を奪われ、食さんとして左にぐぐっと寄ったのである。引き馬する時には人は馬のやや左前方で引いているから、左に寄られたその女性は足を踏まれてしまった。お昼時で馬も腹が減っている時だから、草に惹かれることは良くある。こういうのは起こってでもやめさすべきなのだが、レベル的にも仕方がないのかもしれない。この人は幸いにしてどうもなかったようだが、下手したら足の指や甲が折れているところである。またもやヒヤッとした出来事だった。

洗い場で頭絡«とうらく»をはずし、鞍をはずし、無口«むくち»をつけて厩舎へ連れて行くと、真っ先に飼を貪り始めた。そらお腹減るわなぁ、特に馬は。お疲れ様でした。

その後のミーティングで、初心者複合へ行っても良いようになった。これで、四級への道筋がついたことになる。次回からは四級取得レッスンに行けるだけの技量をつけるレッスンとなる(ようだ)。

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