本日のニュースメディアにルーマニアに関する以下のことが載っていました。
【ウィーン13日共同】吸血鬼ドラキュラの物語の舞台となったルーマニアのトランシルバニア地方にある「ブラン城」の所有権が、同国元王室の子孫である米国在住の男性(68)に、4月中にも政府から返還されることになった。
この米国在住の男性なのですが、4月6日頃に流れていた欧州のメディアによるとニューヨーク在住のDominic von Habsburgだそうです。
で、この人物はハプスブルクの名前からわかるとおり、ハプスブルク-ロートリンゲンの一族で、トスカーナ大公レオポルド二世の子孫となります。したがって、そもそもHI&RH Dominic von Habsburg-Lothringen, Prince Imperial and Archduke of Austria, Prince Royal of Hungary and Bohemia, Prince of Tuscany なのです。
いつの時点かわかりませんが、アメリカに移住した際かその後に法的にDominic (von) Habsburgと名を変えたそうです。ただしあくまで米国法によるものなので、先の称号を称される権利は失っていないと思いますが
さて、何故ブラン城がこのトスカーナ大公家の一員の人に渡るのか、ということなのですが…。Finalcial Timesの記事に:
1920年にBrasov(ブラショヴ)の人々からマリエ王妃(フェルディナンド一世の王妃)に贈り物として献呈された。
とあります。続いて、マリエ王妃がドミニク大公(敢えてこう書く)の祖母に当たると言うことが書いてありますが、これはドミニク大公の母がHRH Ileana Princess of Romania, Princess of Hohenzollernだからなのです。要するにこの母君はフェルナンド一世とマリエ王妃の間にできた王女で、ミハイ国王陛下の叔母に当たる人です。、ドミニク大公はミハイ陛下の従兄弟に当たります。FTの記事では「甥」と書いていますが、ミハイ陛下とは従兄弟の関係です。
ちなみに上記のマリエ王妃は、実は元々生まれたときは英国のPrincess Mary of Edinburghでした。つまり父親はヴィクトリア女王の次男のPrince Alfred of Great Britain Duke of Edinburghなのです。メアリー王女が当時ルーマニア太子だったフェルナンド王子と結婚した約七ヶ月後に父親のPrince Alfredはザクセン-コウブルク-ゴータ公を継承しています。
ところで日本語の記事の表題の「ドラキュラの城」ですが、モデルのヴラド公はワラキアの人でトランシルヴァニアの人ではないために、実はドラキュラ=ヴラド公はこの城とはあまり関係ないようです。ドラキュラ物語の舞台となった
という表現が示すとおり、ブラム・ストーカーの作品の舞台はここのようですが。
これは以前からの旧王室への財産返還の流れの一つのようですが、やはりそれなりの反対もあり、まだまだ一筋縄ではいかないようです。ミハイ陛下には僭越ながら頑張っていただきたいものです。